腕のいい職人さん   <欠陥住宅>




家の前の工事する現場を眺める内、11年前にリフォームした時のことを思い出す。
古くなった家の中のリフォーム、差し迫った事情がなければたぶん決行してなかったかもしれない。
町内で催される秋のお祭り、4年に1度回って来る、お当家と呼ばれる決まり事があり。
その年に当たると、否応無しに、神主を始め大勢の人が家に上がるので、料理その他諸々の接待をしなければならない。
みんな、正直、出来れば他の家でやってと思ってるけど、ジタバタしても避けること出来ない儀式。
ある家の人が何度もそれをスルーしていて、それってどうなん?て、突きつけては言えないけどみなの心の中ではあったと思う。
嫌でも、嫌々でもそれを受けてたのもあるので。
人が大勢やって来るということは、見て欲しくない場所まであからさまに見られるということ。
年数も経ってるので、これは・・ちょっと・・という箇所があちこちあるのは確か。
どんなにあがいても避けられないのなら、これを機会にリフォームしようと決断する。

リフォームするにあたり、どこの業者に委託しようかと考え、2つ候補に挙げる。
1つは、今の家を建てた会社で、世間的にも良く知られた、CМもやってる・・
もう1つは、タウンページを見て、直感で選んだ会社。
2つの会社に見積もりをしてもらうことにし、それぞれ話を聞いてみることにする。
その時に感じたのは
世間的にも知られた会社の人間の対応は、なんだか機械的で冷たい。
マニュアル通りで、人の暖かみが感じられない。
もう1つの直感で選んだ会社は、とても良心的で、それでいて、全然押しつけがましくなく。
そう感じた瞬間、この会社にお願いしようと決める、即断で。
人間て、そういうものだと思う、いくら大きな会社でも、心が感じられない、伝わらないとダメ。

7月の頭頃から色んなショールームを見て回り、夏真っ盛りに着手、完成したのは10月に入って。
主に、キッチンの増改築、玄関から続く廊下と、壁、そして天井。
住みながら、モノをその都度移動させながらのリフォームは正直大変。
期間中、キッチンは使えないので、どうやって何を今日は食べようと頭を悩ます。
新築なら、違う場所で新しく建つのを待つ、そういう面ではストレスフリーだと思う。
不自由を感じつつも、日々段々と変化を遂げて行く様子を眺めるのは楽しかった。
・・・・なのに
ある日、とんでもないことが発覚する・・

キッチンの天井の板を撤去作業してる職人さんが妙な声を上げる。
あれ・・?! 何だこれ・・?! 
見てみると、天井に使われてる板は、天井の4隅から4本のヒモでぶら下がってるだけ。
要は、吊天井・・
そのヒモは、ホームセンターで良く売られてる
気を付けて扱わないと、運が悪ければシュパッと切れるというあのブルーの荷ヒモ。
・・荷ヒモで、ぶら下がってる・・ 天井って・・
唖然・・ 
そして、その天井からは、もう1つ驚くものが発見される。
短い角材に書かれた文字・・
「〇〇さん、愛してるよ」 日付とその書いた人の名前まで・・
〇〇さんとは、母の名前。
それを見た瞬間、気持ち悪いやら、もの凄い嫌悪感が走る・・ 何、これ・・

実は、今の家を建てたのは母。
その頃の母は40歳そこそこ、離婚もして、貯蓄もない、なんにも無い・・
止むに止まれぬ状況の中、女が1人で、血の滲むほど奮起して建てた家。
女が1人で建ててるらしい、昼間も働いてるので見には来ない・・
何をやっても、どんな手抜きしても、わかりゃしない・・
それに、この奥さん、自分のタイプ・・
よし、いっちょ、残しとくか、ちょっとコレにでも書いて・・
・・という感じなんだろなと推測してとれた。
こういう、見えない柱部分に、仕事に関わった頭領的な人が書き残すというのは結構あるのだと聞く。
でも、こんなことを書いて残すとは、知らずに暮らしてたとは・・
女だということで、女には何もわかりはしないだろと、もの凄く軽く見られたんだなと痛感する。

後でわかったことではあるのだけど
この他にも、色んな場所で突っ込みどころ満載なことが噴出。
よくもまぁ、こんなに・・ あちこちと・・ 
その会社へのイメージがダダ崩れ、今回のリフォームに選ばなかったのは大正解だったと思った。
私の直感、まんざら捨てたものではないなと思う。

男でも、一軒の家を建てるというのは大変なのに、娘の目から見ても母は気丈だと思う。
傍から見れば、小さい家だけど、新しい家が出来たことが当時凄く嬉しかった。

あの、世間的には良く知られてる、あの会社がこんなことをするんだ・・
これは明らかに欠陥工事だと、その職人さん達も話し、半ばあきれ顔。
スムーズに進んでたリフォームも、その時点で中止になる。
請け負った会社、CМでも耳に残る、あの頭文字 S の会社に連絡し、現状を見て貰うことになる。
やっては来たけど、結局その当時関わったのは下請けの業者。
そして、その人も今はたぶん現役引退してる・・
その話合いの結果、当然だと思うけど、天井に関わる事を我が社で持つという。
出来るなら、我が社でそれをやりたいと言い出す。
じょ、じょうだんじゃない、そんな呆れた事を平気で野放ししてる会社にはお願いしたくない。
今お願いしてるこの会社でやって貰うということをキッパリ伝える。
この時まで、2階をリフォームする気はさらさらなかったけど
もしや、2階の天井まで吊り天井なのでは?との疑いがムクムク湧いたので、ついでに2階もやって欲しいと直訴。 (ロバさんが)
それに対してはかなり渋ってたけど、結局は渋々あちらも承諾。
こういう時、やっぱり男じゃなきゃダメだと思う。
女だと思うと、言い方悪いけど、嘗められる。
吊り天井、例の不気味な書き残し、有り得ない。

え・・と
長い話になりました。
ここまでもし読んで下さった方がいらしたら、ありがとうございます。
今日のタイトルの、腕のいい職人さん。
この時のリフォームで来てくれてた大工さんなんですが、とっても信頼出来る人でした。
仕事1つ1つがもの凄く丁寧で!
何一つとして、ああして欲しい、こうして欲しい、もっとこうしたらいいんじゃない? とか思ったことが一切無く。
天井の張替も、自分の手形が付くと判断したのか、最後に布で吹きあげ作業する。
この人に任せてれば大丈夫、安心して見てられる。
たぶん、私ならこうするであろうという基準が似てたんでしょね。
仕事の依頼人と職人さんの相性ってあると思うので。
このリフォーム会社から依頼された下請けの方達もみなさん丁寧な仕事をされる人ばかり。
2か月半の長い間だったけど、、気持ちのいい毎日を過ごすことが出来ました。
こういうキッチリした仕事をしてくれる会社もあれば、ああいうお粗末な仕事をする会社もある。
いい経験になりました。








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by momo5r | 2014-03-27 12:26 | つぶやき